珈琲紀行 12 ポルトガル (2003年1月)

オビドス と ロカ岬
Obidos e Cabo da Roca


古くはフェニキアやギリシャの支配を受け、紀元前2〜1世紀にはローマ化が
始まった。その後イスラムとスペインのカスティージャを打ち破り、独立をした。


中世の城郭の上を歩く(オビドス)
 
ユーラシア大陸の西の果て(ロカ岬)

オビドスは、その人口僅か800人、谷間の真珠と
呼ばれる村で、リスボンの直ぐ北にある。
またの名を「城郭の村」といい、ローマ時代に築かれた
立派な城郭がとても良い状態で残されている。
ヨーロッパの中世の城郭を見ることは珍しくもないが
ここオビドスのそれは無傷で村を一周している。
しかも、その上を歩くことができるのだ。

実際に歩いてみると、巾は僅か1m程しかなく、
高さは10mはある。馴れるまでかなり恐ろしい。
通路の真ん中を歩こうと思っても、身体はその意思に
反し、パラペット側に傾いてしまう。
灯りの殆どない夜間ならどうなってしまうのか。
当時でも、戦いの最中や巡回中に落下した兵士が
居ただろうことは想像にかたくない。

日本の北東、ベーリング海峡に至る場所がユーラシア
大陸の東の果てなら、ここロカ岬は西の果てである。
今まで何度も写真で見た、赤い灯台が美しい。
確かに あの有名な「ここに地果て、海はじまる」
と刻まれた石碑があった。
この石碑から10m海側に
行けば、高さ140mの
断崖絶壁になっていて、
遥か下方には荒れ狂う
白波が広がるが、遠すぎて
何の音も聞こえない。
ここほど、「地の果て」を
感じさせる場所は他には無いのではないか。
訪れる人をすべて感傷的にさせてしまう雰囲気がある。

ここからは、独り言
ポルトガル語の響きは何故だか、ロシア語のそれだった。
でも、片言のスペイン語がちゃんと通じるから面白い。
「ポルトガル人は素朴で人柄が良い」とのことだったが、
特にそう感じたり、不愉快に思う出来事もなかった。
それより、ルフトハンザのフライトは今回はじめてだが
BAと同じように感じよく丁寧で、常時サンドイッチやお握り、
チョコレートなどが用意してあって満足。
また、乗降時には「日本人客には日本語で挨拶する」
努力をしていた。日本人クルーもとても優しく
親切で、感激させるものがあった。