珈琲紀行 13  メキシコ(2003年11月)
Tasco(Taxco) y Cancun, Mexico
銀の町・タスコは、小粋でおもしろい・・・・


銀の町=タスコは、メキシコ-シティーの南西160キロにある。スペイン人コルテスにより16世紀に銀鉱脈が発見され、それが町の起源になったと伝えられている。

山肌にびっしりと張り付いた建物群は、遠くから見ると スペインのトレドを思わせる。
また、町の中心にあるピンクの洒落た教会前に立つと、ポルトガルのシントラに居るようでもあり、曲りくねった狭い下り坂の活気にあふれる市場は、モロッコのフェズ旧市街を彷彿とさせる。なんとも異国情緒たっぷりな、下界からは想像もできない別世界だ。

町へは、ワンボックス風のタクシーに詰め込まれて上って行く。クルクルと曲りくねった細い道を車は容赦なくブッ飛ばすのだが、ドアがないので必死でつかまっていないと転げ落ちてしまう。怖いのに面白い!!!喚声を上げながら、少年時代に返ったような気分で楽しんでいた。

市場には、これが銀の本場と言わんばかり無数の店が軒を連ね、原石から種々雑多な銀製品まで溢れ返っている。

なかでも一際エキゾティックなマヤ風デザインのアクセサリーが煌き、訪れる人たちを魅了し惑わせる。昔からメキシコの銀製品のことは聞いていたが、ここがそのメッカとは今回まで知らず、
嬉しい驚きとなった。メキシコを訪れたいと思っている方は、この町をお忘れなく、、。

あの有名なマヤ遺跡群であるテオティウァカン、チチェニッツァ、カバー、ウシュマル、トゥルム等々の迫力にも増して心を喜ばせ感激させたのは、何の期待もしていなかったこのタスコの町とカンクンから見るカリブ海の色。宝石よりも美しく、宇宙から見る地球の色はこういう感じか!と見入ってしまった。

嬉しいこと・・・・これはペルーでも感じたことだが、インカ系、マヤ系の人たちは日本人に対して特別な好意を持っているようだ。こちらが片言のスペイン語でも口走れば、うんと楽しい思い出ができること間違いなし。

残念なこと・・・・テオティウァカンにある月のピラミッドは、メキシコ・オリンピックの際に手を加えられ、考古学的価値がほとんど無くなってしまっているらしい。

また、米国へ入国・通過する旅行者の荷物は徹底的に検査される。鍵が掛かっている場合は、容赦なく破壊して中を調べるし、物が紛失しても何の補償もない。この検査の為の費用13100円は旅行者の負担となる。米国内での中継が無い中南米訪問ルートの開発が切望される(いま僅かにカナダルートがあるが)。