珈琲紀行 4 ケァンズ (2001年6月)

バナーナ・シュガーケイン・マンゴー
そしてコーヒー・・・マリーバ 1 (オーストラリア)



日本から、ほぼ真南へ約七時間飛ぶと、オーストラリアのケァンズに到着します。時差はプラス一時間で、日本から一番近い英語圏の瀟洒な町なのですが、、。

ケァンズは、あのグレートバリア・リーフ観光への拠点となる港町として知られていますが、北へ少し行くと様子は一変し、世界自然遺産にも登録されている最古の熱帯雨林・デイントゥリーがあります。
恐竜たちもこの風景を見たのかしら、と想像してしまうような圧倒的な森林と言うか、ジャングル地帯です。その直ぐ東側には、美しい海岸を持つ岬・ケイプ トゥリビュレーションがあり、視界が開け、ほっとする思いがします。

また、全く別の表情を見せてくれるのは、マングローブの生い茂るデイントゥリー河でしょう。何だか、マークトゥウェインの世界に迷い込んだような、トムソーヤとハックルベリーフィンが釣竿を持って、今にも出て来そうな雰囲気さえ漂っています。それにしても、岸辺でクロコダイルが無造作にあちこちで甲羅干しをして
いるのを目の当たりにすると、大自然に対する畏敬の念と地球旅行の面白さに身が震えてしまいます。

方向を転じて、西へ行けばマリーバ地区となり、此処には色々な熱帯果実の農園があります。バナナ、砂糖キビ、マンゴー、そして、何と、コーヒー農園まであるのです。当然、ここが今回の目的地です。

そのコーヒー農園を熱気球から見てみようと思い立ち、乗ってみましたが、実のところは、前回訪れたケニアの六分の一の値段が魅力だったからです。その感想を簡単に言えば、高いビルから唯ぶら下がっているような感じでした(笑)。

上空から、農園の写真を何枚も撮ったのですが、まだ薄暗い早朝のことで、全て露出不足で何も写っていませんでした。300メートルの高さからでは、ストロボが届く筈もありませんね。尚、着陸地点は牛のいっぱい居る牧場でした。牛達は毎朝のこととはいえ、迷惑そうでした。

マリーバ・コーヒーを試して見ました。木の種類はアラビカ種の中の「ブルボ
ン種」とのことでしたから、期待は高まる一方です。大切な焙煎度は、中深
くらいでしょうか。

カップ(試飲)の結果は、ブルボン種独特の、とても素直なコーヒーでした。軽い酸味があり、苦味は弱くて日本人には合うようです。唯、欲を言えば、旨みというか、深みに欠けるきらいがあります。コーヒー通の方には物足りないかも知れません。総合評価として75点を付けました。

コーヒー栽培の歴史が浅く、まだ日本では良く知られていないオーストラリア・コーヒーが可なりのレベルに達しているのには、正直いって驚きました。近い将来、更に品質を上げたものが出来れば、高く評価されて身近なコーヒーになる可能性は大であると感じました。

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