珈琲紀行 19 ダージリン・インド (2006年9月) www.cafe-terasse.com

初めてのインド。どっぷりとハマる人もいれば、もう嫌だ!という人もいるとか。


北東インドには紅茶の名産地「ダージリン」世界遺産「ダージリン・ヒマラヤ鉄道」
かっての王国「シッキム」などがあり、とても魅力的な目的地です。


世界遺産のダージリン・ヒマラヤ鉄道
 
シッキムのバラ色に染まる世界3位

成田からシンガポール経由でコルカタに到着。なんと15時間程も経っている。
コルカタからは日本人には辛い寝台列車に乗り、朝方ニュージャルパイグリ駅に到着。
ここから始まるヒマラヤ鉄道に乗ればダージリン迄8時間かかり、車なら3〜4時間で
行き着く。しかし、なんせ急な曲りくねった山道の連続で、かなりの体力と忍耐力が
必要です。  ネパールでの移動は飛行機でラクチンでしたが、ここダージリンや
シッキムは名立たる山岳地帯で、空港を造りたくても平地が無いのでしょう。

紅茶の代名詞とも言えるダージリンは想像とは違って、人口15万人の活気のある
ドキドキする町だった。狭い大通り(?)はクネクネ曲りくねり、その僅かな空間には
人と車とバイクと更にヒマラヤ鉄道までもが溢れているのだ。東京の「何とか銀座
商店街」に汽車が走っている感じだ。 目白押し状態の家や小店は斜面の崖に
高床式のような柱を何本も建ててその上に乗っている。我々には、とても不安定
で恐ろしい気がする光景だった。 ここで寝起きすれば、スリムな体型を保てるかもね。

ダージリンに期待したもの、
それは、あの「マスカテル・フレーバー」との遭遇だった。
ダージリン茶の夏摘みの中、僅か5%だけが持つと言う
独特のマスカット・ワインの香りだ。
今迄に沢山の紅茶を飲んできたと思うが、はっきりとマスカット
の香りのするものとなると、どうも記憶にない。
産地まで行けば巡り合えるかも、と楽しみだった。
が、旅行者相手の瀟洒な紅茶屋さんで高価なものを試飲させてもらっても、地元の人に
尋ね回っても、出会えなかった。帰国時にコルカタ空港の免税店で、5500円
/100gのものを買ってみた。微かな期待を持って東京で淹れてみると、何か香りがあり、
これがマスカットかも、と少々興奮した。

どこの国でも、良いものは輸出する。
だから何であれ、一級品は日本で探すのが近道かも知れない、と思った。
案の定その後、日本国内で素晴らしいダージリン・マスカテル
の存在をつきとめ、ついに手に入れたのだった。
針金のような茶葉をポットに入れ、熱湯をそそぐ。
時間は永めに4分半かける。
カップに移してからも、少し温度が下がり香りが強まるのを待つ。
満を持してカップに鼻を突っ込むと、甘いリキュールのうっとりするような芳香にクラクラする。
薄めの水色の液体を口に含むと、うーん、これだ、本当に「マスカット」そのものだ。

秘境的なイメージを持つチベット・シッキム・ブータンですが、ダージリンからジープで山道を
揺られ、もみくちゃにされること、8時間あまり、。何とかシッキムの元首都であるガントクには辿り
着いたのですが、「秘境の看板」とは大違いで、旅人はただ呆然と立ちすくむのみでありました。
大通りはダージリンのそれよりも遥かに広く、大賑わい。 もちろん着飾った美人もそぞろ歩く。
通りの両側には、5〜6階建てのビルが所狭しと林立してて迷いそう。
えっー?ATMの看板も見えるし、聞くところよればディスコもあるんだってぇ〜。

しかし、宿泊した「HOTEL TASHI DELEK」のご主人は大の日本びいきで、来日も数回とか。
従業員の感じは良いし、料理は美味しい。そのうえ時には写真のような「キビで造った
珍しい地酒」まで振舞ってくれて、とても満足でした。
美しい夜景の見える「テラス」もあります。
山にも近いしー。